• 漢方治療

    Kampo medicine

    漢方薬で治療の幅が広がります

    保険診療が可能です

    当院では、通常の診療に加え、東洋医学的アプローチを行い、幅広い治療を提供しております。お気軽にご相談ください。漢方薬は、使いやすく保存の効くエキス剤を使用しています。

  • ■漢方医学との出会い

    今だからこそ、漢方医学が面白い

    多くの漢方処方医は漢方に目覚めるきっかけとなる漢方薬を一つ持っています。私の場合、それは「小青竜湯(しょうせいりゅうとう)」でした。

     

    私は平成5年に鹿児島大学を卒業後、臨床検査講座の丸山教室(丸山征郎教授)に入局し、そこで血管学(主に血管の老化)に関して、分子生物学的手法を用いた研究に携わる機会を頂きました。

     

    当時、私はひどいアレルギー性鼻炎に悩んでおり、鼻炎薬は欠かせないものでした。しかし、余程ひどくないと薬を使いたくないのが本音でした。というのも、当時のアレルギー性鼻炎の薬(抗ヒスタミン剤)は、脳内への移行が強いものしかなく、個人差もあるのですが、口渇と同時に強い眠気の副作用のため、服用後はまるで使い物にならない状態でした。鼻ずるずるかドロドロになるかの究極の選択です(現在は、脳内への移行が少ないものが次々と登場しています)。

     

    教室で鼻炎が始まった時、丸山教授から手渡されたのが小青竜湯でした。半信半疑で内服したところ、15分後に鼻水、くしゃみが止まったのにはびっくりしました。眠気も全くなく霧が晴れたような感覚でした(注:アレルギー鼻炎の人全員に効果があるわけではありません。また、小青竜湯の服用にはいくつか注意点があります)。

     

     

    小青竜湯を自分で使用して漢方への見方が変わり、私は漢方薬の書物を購入し、あちこちの勉強会に参加するようなりました。九州は比較的漢方医学を志す人が多く、たくさん勉強の機会があります。

     

    大塚敬節先生と言えば日本漢方を代表する大家ですが、その大先生から直接教えを引き継いだ高名な先生が漢方の伝承のために講演して下さったり、あるいは、漢方医学一筋に長年臨床の第一線で活躍されておられる先生が腹診の取り方を実習という形で教えて下さったりと、多くの貴重な機会を得ることができました。

     

    今でも機会があれば講演会を聞きに行って新たな知識を得る努力を続けています。漢方医学には多くの流派が存在しますが、様々な先生方の話を聞いては自分の引き出しを一つずつ多くするよう努めています。

     

    漢方オンリーで臨床を続けておられる先生、薬理的な側面からアプローチをしておられる先生、分子生物学的に漢方の働きを説明するのが得意な先生、漢方の世界は今いろんな先生方が活躍しておられます。日本の医学は本当に面白いと思います。

     

     

     

  • ■漢方薬の特徴

    西洋薬との相違

    よく勘違いされるのが

    1)漢方薬は長期間服用し続けてようやく効果がでてくる

    2)副作用がない

    というものです。

     

    長期間内服する漢方薬もありますが、そういう薬も、効果判定は基本的に2週間で行います。2週間で何等かの症状改善が見られなければ、私の見立てが誤っていたと判断し、もう一度処方を見直します。

     

    しかし、漢方薬が最も漢方薬らしい力を発揮するのは、私は急性期疾患いおいてだと考えます。

     

    漢方薬の古典、傷寒論(しょうかんろん)には、急性期熱性疾患を対象とした処方が記されています。生薬をいくつか配合したレシピが紹介されていますが、配合薬が少ないために切れ味がシャープで短時間で薬効が得られます。傷寒論以降、時代を経て、副作用対策に別の生薬を加えたり、より慢性期疾患に対応する薬をアレンジしたりするうち、配合する生薬の種類の多い漢方薬が次々と誕生したと考えられます。

     

    風邪薬一つとっても、ひき始めに使う薬、2~3日経って咳や痰がひどくなり食欲も低下してくる時期に使う薬、体力が落ちてきたときに使う薬、など、タイミングにより処方を変えながら、その時点その時点で病気の悪化を抑える手法を取ります。例えば、麻黄湯や葛根湯は傷寒論に出てきますが風邪のひき始めに一発で治すことを狙って作られています。したがって、だらだらとこの処方を続けると体力を消耗し胃の調子も悪くなります。

     

    つまり、漢方薬に副作用がないという俗説は全く間違いで、使い方を誤ると症状が悪化したり思わぬ副作用が出現します。特に、麻黄、甘草、地黄など気をつけるべき生薬がいくつかあります。また、西洋薬と組み合わせる際にも注意すべきです。

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    ■漢方医学を西洋医学に取り入れる

    メリット

    日本人医師に与えられた特権

    漢方の起源は中国ですが、日本に入ってきてから先人達の努力により独自の発達を遂げてきました。特に腹診は日本独特の診察法で慢性期疾患を診る際には、この腹診を行うことで処方する薬を絞っていきます。つまり、この腹診は、舌診と合わせて大きな情報収集源となっているのです。西洋医学にも、視診、聴診・打診、様々な触診法がありますが、これに漢方医学の舌診と腹診が加わることで、医師の五感による情報収集の幅が広がります

     

    問診についても、少し違います。

    西洋医学の考え方では、症状に関して詳しく尋ねる方法を取りますが、漢方医学では症状とは一見何の関係もなさそうな質問をたくさんします。症状だけでなくその人の『証(しょう)』を確認する作業です。西洋医学的アプローチをする中でも、漢方医学的見方を加えることにより西洋医学的な診察だけでは見えなかった状態が把握できることもあります。

     

    西洋薬と漢方薬を一人の医師が同時に処方できる国は実はほとんどなく、私は日本人医師でよかったと心から思います。